私のチームで作っている社内システムには、プロジェクトの活動内容を記録する機能があります。複数のプロジェクトを担当している場合、最初にプルダウンから対象を選び、日付を選び、活動内容を入力する流れです。
使えている人は使えています。全員が迷っているわけではありません。それでも「どう書けばいいのか」と聞かれることがあり、プルダウンからプロジェクトを選ぶという最初の概念が、画面だけでは伝わっていませんでした。
説明すれば操作はできます。ただ、使い方を説明し続けるだけでは、画面の分かりにくさは残ります。そこで私は、オブジェクト指向UI(OOUi)を画面設計の目安にし、自分でも繰り返し使いながら直すようにしました。ただし、OOUiを入れれば解決するほど単純でもありませんでした。
説明しないと伝わらなかった3つの操作
活動内容の入力以外にも、画面の意図が利用者へ伝わっていない場面がありました。
プロジェクトを選んでから活動内容を書く
活動内容は、どのプロジェクトに対する記録なのかを先に決める必要があります。そのためにプルダウンを置きましたが、作った側が想定した流れと、利用者が画面を見て理解する流れが一致していませんでした。
入力欄が見えているのに、その前にプロジェクトを選ぶ必要がある。この前提が伝わらず、「どう書けばいいのか」という質問につながっていました。
出力ボタンが検索画面にある
データを出力する機能は、検索画面へ移動してからボタンを押す仕様です。開発側では、出力を検索画面の機能としてまとめていました。
しかし利用者からは、「どの画面から出力できますか」と聞かれました。機能は存在していても、出力したい人がその場所へたどり着けなければ使えません。
請求金額に何を入力するかが人によって違う
請求金額を登録して申請する画面では、仕様上、必要な金額を入力してもらう想定です。一方で、変更分や追加分の金額だけを入力する人もいました。
入力欄そのものは操作できています。それでも、「ここには最終的に必要な金額を入れる」という意味が画面から伝わっていませんでした。仕様どおりの項目を置いただけでは、利用者が同じ意味で解釈するとは限らないと感じた例です。
最初にやったのは、使い方を説明すること
質問されたときは、まず操作を説明しました。プロジェクトを選ぶ場所、出力ボタンがある画面、請求金額に入力してほしい内容を伝えれば、その場では先へ進めます。
ただ、説明で解決するのは、その人のその時の操作です。画面を見ただけでは同じ疑問が残るため、私は説明の内容を増やすより、画面の組み立て方を見直したいと考えました。
OOUiを画面設計の目安にした
いま基準の一つにしているのがOOUiです。私の理解では、プロジェクトや請求といった第一級のオブジェクト、つまり操作対象になる名詞を左側に置き、選んだ対象に対する操作をメインコンテンツへ出します。
利用者から「左で選んだのに検索に反映されない」と言われたことがあります。この反応からも、左側で対象を選んだなら、その選択が右側の操作へ反映されると期待されているように感じました。配置だけOOUiらしくしても、選択状態と操作がつながっていなければ分かりやすくなりません。
一方で、チーム内ではOOUiの考え方がまだ腹落ちしていないように感じています。第一級のオブジェクトを決め、そこから操作を組み立てる部分が甘い。私自身も、どの画面でも迷わず適用できる状態ではありません。
それでも、感覚だけで画面を作るより、「この画面の操作対象は何か」「左で選んだものがメインの操作へ反映されているか」と確認できる点は、設計の目安として使いやすいと感じています。
自分で使い、一括処理とExcelライクな操作を考える
もう一つ続けているのは、自分でシステムを使うことです。仕様書と画面を見比べるだけではなく、活動内容の入力や検索、出力といった実際の流れを繰り返します。作った側の説明を頭から外すことは難しいですが、操作を続けると、画面遷移や入力の手数が気になる場面は見つかります。
業務で使うシステムでは、1件だけ処理するより、複数件を一気に処理したい場面が多くあります。そのため、私は一括処理を最初から設計へ入れるようにしています。一覧で複数件を選ぶ、まとめて登録・更新するなど、1件ずつ同じ操作を繰り返さなくて済む形を考えます。
さらに、Excelライクな操作も設計時に加味しています。表形式で続けて入力できるか、一括して扱えるかを、業務画面の判断材料にしています。一括処理を重視するようになった背景は、データ構造と一括処理UIについて書いた記事でも整理しています。
OOUiだけで解決したとは言えない
利用者の反応を見る限り、操作対象を先に選び、その対象にできる操作を見せる考え方は分かりやすそうです。ただ、改善結果を数値で確認できているわけではなく、質問がなくなったとも言えません。
いま残っている課題は、チームでOOUiの理解をそろえることと、配置だけで終わらず、選択したオブジェクトを検索や入力へ確実に反映することです。
説明すれば使える画面と、説明なしで意図が伝わる画面は違います。私はOOUi、自分で使うこと、一括処理、Excelライクな操作を設計時の目安にしながら、実際に質問された箇所を一つずつ直していこうと考えています。

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